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Kは坂を上っていた。


左手にはコンビニの袋。
右手には、もはや人間として機能していない同居人を抱えて。

この坂道が下り坂だったら、うまく転がしていけるのに。
そう考え、自分が冷静なことを確認する。
結局コンビニで買ったのは、同居人のための味噌汁と栄養ドリンクだった。
Kは自分の食事を、軽い胃の痛みによって思い出す。
帰ったら何か作ろう…。
それだって、まったく珍しいことではない。


アパートの階段を登る。
同居人が、訳のわからないことを呟く。
Kは返事をせず、扉の前でポストを覗く。
その時、足元に紙が落ちているのに気がついた。
拾い上げて、文字を読む。
といっても声に出すわけではない。

「再配達依頼書 ネコ運輸」

壁にもたれながらノロノロと前進している同居人の方を振り向いた。
「やっと、届いたみたい」

同居人の目が、一瞬だけ光が差したように光った。
が、すぐに沈黙した。
気のせいか、とKは納得し扉に鍵を差し込んだ。

続く
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