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目が覚めると、首が硬かった。
身体がうまく曲がらない。
自分のものなのにこんなに不自由なことがあるのか。
自分の姿を見下ろす。
赤い。
メタリックな反射がある。
表面は滑らかで、綺麗に艶が出ている。
摩擦係数は恐ろしく低いだろう。
首を傾ける。
ギギギっと音がする。
頭を触る。
硬い。

そのまま撫で下ろすと、角(かど)に当たった。

角。

そう、いつもの通りだ。
何も不都合はない。
その時視界の横を何かが通った。
ものすごい轟音。
地面が揺れ、思わず転びそうになる。
彼は正確に70度首を回し、その巨体の行方を目でおった。
実際には、埃が舞いすらしない小さな動きだったが。

そして彼は、見たこともない巨大な(それこそ彼の10倍もありそうな)白乳色の生物を目撃する。
彼は世界の平和を守る正義のヒーローだったが、
これほどまでに凶悪な顔をした怪物は見たことがなかった。

見上げきれない程の巨体。
ジャングルの様に底知れぬ黒い長い林。
大海を連想させる布に身を隠し、
そこから生えている武器(太いのと細いのがある)はなんとも手強そうだ。
それから轟音を発生させる装置が林の近くに設置されている。
発しているサインはもちろん意味不明、うるさすぎて解析は絶望的だ。

よく見ると、その怪物はもう一体存在し、
彼の半分はあろうかというコーヒーカップのようなものを手にしている。
彼はコーヒーカップが何であるかを知っている。
しかし今目にしているものは、サイズがまったく違う。
言うなれば風呂ガマのごとき巨大な器だ。
なぜそれがコーヒーカップだと思ったかというと、その中には彼が好意的に摂取する飲み物が入っていたからだ。



つづく
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